金と国債 2013 8 11

書名 急騰前の金を買いなさい
著者 亀井 幸一郎  廣済堂出版

 この本は、単に金投資を勧める本ではなく、
世界経済や国際情勢がよくわかる本として紹介します。
 そもそも、投資というものは、
世界経済や国際情勢をよく勉強してから、
投資すべきであるという原則が、この本でわかるでしょう。
 著者によれば、「日本は財政危機だから、
日本が財政破綻し、円の暴落とインフレが起こる前に、
ドルや米国債を買いなさい」と勧める評論家は間違っていると指摘します。
 日本が財政破綻すれば、
ドルも暴落、米国債も暴落、ダウも暴落でしょう。
 米国債の最大の保有国は、どこか。
それは、日本か中国か。
今は、日本になったかもしれませんが、
その日本が財政破綻すれば、米国債は「投売り」となるでしょう。
そうなれば、ドルもダウも暴落でしょう。
さらに、欧州の国債も処分することになるでしょう。
 そういうわけで、欧米諸国は、
日本が財政破綻しないように、
日本に対して、「財政再建」を求めてくるでしょう。
 さて、微妙に言葉を変えますが、
米国債の最大の保有者は、誰か。
それは、日本か中国か。
著者によれば、「アメリカの中央銀行であるFRBだ」ということです。
 何回も続いた量的緩和政策には、
入り口はあっても、出口はありません。
つまり、FRBが米国債を退蔵するしかないということです。
 次は、欧州を見てみましょう。
「溺れてしまうから浮き輪を投げてくれ」と主張する南欧諸国と、
「泳ぎ方を教える」と主張するドイツとの間で長らく対立がありました。
 こうして欧州危機は毎年繰り返されていましたが、
ECB(欧州中央銀行)総裁が、「ユーロを守るためならば、何でもする」と宣言し、
欧州危機は「小康状態」となっています。
つまり、「浮き輪」は投げられたという状態です。
 そうなると、ドイツは「今度こそ、我々が泳ぎ方を教える」と言い出しそうですが、
そもそも、海に入る前に、泳ぎ方を覚えておくべきだったのではないでしょうか。
 ECBは、南欧諸国の怪しげな国債を大量購入しているかもしれませんが、
それは、米国債の最大の保有者となったFRBよりも、状況は悪いと言えるでしょう。
 さて、金(Gold)が上がるか下がるか、わかりません。
しかし、私も子供の頃に、
家族が1か月暮らせるぐらいのGoldは持っていなさいと言われたことがあります。






























































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